【導入手順】DXを導入しよう! - DXファーストステップ

【導入手順】DXを導入しよう!

2021.09.26

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DXとは?

そもそもDXとは、正式にはデジタルトランスフォーメーション(Digital TransFormation)と言います。直訳すると「デジタル変換」となりますが、これだけでは何を行うことなのかが分からないでしょう。

経済産業省は、「DX推進ガイドライン Ver.1.0」の中でDXを次のように定義しています。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」

簡単にまとめると、「IT技術やデータの活用によって製品・サービス・ビジネスモデルを変革し、競争力を高めていくこと」だと言えます。
DXは世界的なトレンドであり、先進的な企業の中には、AIやIoT・ビッグデータといったIT技術を活用して革新的な製品・サービス・ビジネスモデルを生み出し、大きな成長を遂げる企業も現れています。

DXを進める手順

(1)経営陣によるビジョンの提示

DXは、企業にとっては全社一丸となって取り組まなければならない重要なプロジェクトです。まずは、経営陣が、DXによって目指すべき価値と、それを達成するために必要なモデルやビジョンを明確にしなければいけません。

具体的なビジョンを提示しないまま、「DX化を進めるように」と部下に丸投げしてしまうのは典型的な失敗パターンです。また、DXを推進するにあたっては、経営トップ自身が強い意志とリーダーシップを持って取り組めるかどうかも、成否を分けるポイントになります。

(2)DX推進のための体制整備

ビジョンを明らかにしたら、それを具現化するための体制整備として、DX推進部門の設置をします。よりよい体制を構築するためには、デジタル技術やデータ活用に精通した人材の育成や確保が必要です。人材の確保については、社内だけでなく社外からの人材の獲得や連携も視野に入れるのが良いでしょう。

ただ、優秀な人材がたくさんいればいいわけではありません。コミュニケーションコストが増して、かえってDX実現を遅らせてしまう可能性があるからです。企業の中には、経営陣・事業部門・情報システム部門といった少人数グループで取り組んだケースもあります。どの程度の人数を揃えればいいか、十分に検討することが大切です。

(3)IT資産の分析・評価

システムをはじめとするIT資産が現状どのような状態なのかを、次のような観点から分析・評価していきます。

  • 複雑化・老朽化・ブラックボックス化したシステムが存在しないか
  • データは各部門ごとに連携できるか
  • データ活用のために一元管理ができるか
  • 機械や設備からのデータの取得ができるか

分析・評価結果を元にして、継続して活用するものと廃棄するものを仕分けすることになります。

(4)要件定義

IT資産の現状や経営戦略・ビジョンを元に、どこをどのように変えるかの要件定義を行います。要件定義においては、ベンダー企業に丸投げするのではなく自社も積極的に関わり、最終的な確定も自社が行うようにします。

また、ベンダー企業との打ち合わせは情報システム部門に任せきりになるケースが多いですが、実際に利用する事業部門が打ち合わせに参加して、現場の課題や現状の運用を踏まえて要件定義を行いましょう。

(5)IT化・デジタル化による業務の効率化

要件定義を元にしてIT技術を導入し、DXを実施していきます。しかし、いきなりDXを実現するのは難しいため、まずはIT化・デジタル化による業務の効率化を図ることになるでしょう。

いきなり全業務フローを変えることは現場の混乱を招き、最悪の場合は業務が停止してしまうこともあり得ます。そのため、まずは個々の業務を効率化させていき、対象となる業務を徐々に広げていく形で全社最適を目指します。

(6)DXによる製品・サービス・ビジネスモデルの変革

最後は、IT技術やデータの活用によってDXを実現していきます。IT化・デジタル化で終わらずにDXを実現するためには、全社一丸となって取り組まなくてはなりません。

業務内容だけではなく、組織構造やプロセス、企業風土から抜本的に見直すこともあるため、DXを実現できた企業はまだまだ少ないのが現状です。しかし、DXによって企業が得られるメリットは非常に大きいため、ぜひ取り組んでいっていただきたいです。