【徹底解説】5Gとは?
2021.09.13
DX
5Gとは?
5Gとは「第5世代移動通信システム」を意味する言葉です。GはGenerationを表します。5G以前には1G~3Gがあり、2010年代にスマートフォンの普及と時を同じくして導入された4G(LTE)がありました。
5Gは日本では2019年に試験サービスが始まり、2020年には3月25日にNTTドコモ、26日にKDDI、27日にソフトバンクと順次サービスがスタートしています。ただし、5G対応スマホを持っていたとしても、2020年4月末時点で5G通信が利用できるエリアはまだ限られています。NTTドコモの場合、スタジアム・オリンピック施設、主要駅や空港などの交通施設、観光施設ドコモショップ、その他屋外スポットなどとなっています。
5Gの仕組み
高速・大容量
4Gは110Mbps~1Gbpsという通信速度でしたが、5Gはサービス開始時で下り最大3.4Gbps(NTTドコモ)程度を達成、やがて下り20Gbps、上り10Gbps、10Gbps以上の超高速も実現することが要求条件とされています。またトラフィック量は2010年と比べて1,000倍以上に増大すると予測されており、5Gはこれへの対応が謳われています。
5Gでは、4Gで使用している3.5GHzよりも高い周波数帯(3.7GHz帯、4.5GHz帯、28GHz帯)を用いることで帯域幅を広げ、データの通り道を確保するという仕組みで高速・大容量を実現します。
もともと電波には周波数を高くするほど直線性が強くなり、障害物の裏に回り込みにくくなるという特徴があります。そこで5Gでは、周波数6GHz未満の「Sub6」(3.7GHz帯と4.5GHz帯)を用いて広いエリアをカバーし、さらに高周波帯である「ミリ波」(28GHz帯)を混雑エリアなどにスポット的に展開するという周波数帯を組み合わせることで高速通信を可能にするという方法が取られます。 これは、通信の制御部分(手紙で言うと宛名や差出人の部分)と、コンテンツ部分(手紙の中身の文章の部分)を分離して扱うことによって実現します。そしてこのミリ波が出てくると、先程の上り20Gbps、下り10Gbpsという理論値に近づいていきます。
また高周波帯には、電波が遠くまで届きにくい、減衰しやすいという弱点もあります。そこで5Gでは、「Massive MIMO」の技術もカギになるとされています。Massive MIMOは従来のアンテナ本数よりはるかに多い100本以上のアンテナ素子を同時に用いることで、多数の端末に個別の電波を割り当てて快適なモバイル通信を実現するというものです。
低遅延
4Gは10msの遅延が発生していたのに対し、5Gでは1ms程度の遅延に抑えられます。これは主にデバイスとサーバーの物理的な距離を縮めることで通信時間を短くする「エッジコンピューティング」という技術によって実現されます。
今までは、端末からデータセンターにあるサーバーまでデータを伝送し、サーバー側で処理をしてデータを端末に戻すということをやっていましたが、これではサーバーまで行って返ってくるのに時間がかかります。そこで、基地局の近くにエッジサーバーを設置して、そのエッジーサーバーで処理しデータ端末に戻すことで伝送距離を短くして、低遅延を実現しています。
このような技術は、車の自動運転システムをはじめ、遠隔医療、機械の遠隔操作など、クリティカルなリアルタイム性を求められる場面で活用が期待されます。
多数同時接続
5Gでは基地局1基に同時に接続可能な端末数も格段に増えます。4Gの10倍以上の接続数(1平方キロあたり100万台)をサポートするとされており、IoT機器なども含め多くの端末が同時に使用できます。
多数接続は、超高密度分散アンテナ「ビームフォーミング」技術を使い、電波を細く絞り、特定方向に向けて発射することで必要な端末にだけ正確に電波を届けることで実現しています。