オンプレミスとクラウドの違いとは?メリット・デメリットを解説
2021.09.09
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オンプレミスとは
もともとプレミス(Premises)とは、「構内」や「建物」という意味を持ちます。プレミスという言葉から派生したオンプレミス(On-Premses)は、「自社運用」の意味を示します。
オンプレミスとは、システム構築に必要なサーバーや回線、ソフトウェアなどを自社内またはデータセンター内に設置し、システムの構築から運用までを自社で行う形態を指します。ちなみに、オンプレミスを「オンプレ」の略称で呼ばれることも多いです。
オンプレミスのメリット
ここからは、オンプレミスの具体的なメリットやデメリットをご紹介します。オンプレミスを利用するメリットは、以下の通りです。
①システムを柔軟にカスタマイズしやすい
オンプレミスは、ハードウェアからソフトウェアまで自社内で確保することができるため、システムを柔軟にカスタマイズすることができます。また社内システムとの連携も図りやすため、自社の特性に合わせてシステムをカスタマイズすることが可能です。
②セキュリティの安全性が高い
オンプレミスは、自社のネットワークシステムを利用して運用されています。つまりオンプレミスのサーバー利用者は自社内に限定されるのです。
したがって限定されたネットワーク内での利用は、第三者が入りにくく、セキュリティを強化することが可能です。ECサイトにおける個人情報も安全な場所に保管することができます。
オンプレミスのデメリット
オンプレミスにはデメリットもあります。ご紹介するデメリットは、以下の2つです。
①初期費用が高い
オンプレミスは、サーバーやソフトウェアなどのIT機器を自社で用意する必要があるので、初期コストがかかります。そのほか、サーバールームの管理費や人件費などの、運用に必要な維持費(ランニングコスト)も必要とされます。万が一故障が起きた場合には、機器交換に関する出費は自社で持つ必要があります。
②購入後の資産管理が必要
オンプレミスは、購入後における資産管理を自社で行う必要があります。構築から運用まで全て自社で行われるため、専門知識を持つ人材の確保が求められます。また、ネットワーク障害などのトラブルは、自社で対応しなければいけないこともデメリットとして挙げられます。
クラウドとは
オンプレミスと比較対象にされることが多い「クラウド」。クラウドとはオンプレミスとは異なり、ITシステムに必要なIT機器を自社で保有しない運用形態です。データセンターを自社で設置し管理する必要がないため、スムーズな導入が可能です。
具体的なクラウドサービスを挙げると、「Gmail」や「Google スプレッドシート」、「Googleカレンダー」のような、インターネットを経由するアプリケーションに利用されています。
クラウドのメリット
クラウドでご紹介するメリットは、以下の通りです。
①費用を安く抑えることができる
クラウドは、オンプレミスのようなサーバー環境に必要なシステムを購入する必要がないため、初期費用を安く抑えることができます。またクラウドの料金体系は、利用した分だけ課金される「従量制」となっていますので、使用量が少ない場合は、コスト削減に繋がります。サーバーの管理費もかからないため、管理費や維持費におけるコストを削減することができます。
②導入が簡単でスムーズに利用開始できる
クラウドは、販売業者と契約を行うことでスムーズに利用を開始することができます。アカウントを発行し初期設定が完了すれば、その日のうちに利用開始できるケースもあります。
さらに、使用する端末は社内のパソコンに限らず、スマートフォンや社外のパソコンからもアクセス可能です。データを移動する手間が省けるので、USBメモリを使用したり、コピーを行う手間を省くことができます。サーバーメンテナンスも不要なので、管理面においてもスムーズです。
③拡張性が高い
クラウドでは、拡張性の高さもメリットとして挙げられます。Web上で設定変更ができるため、利用するサーバーの数を増やすなどの環境に応じた変更が可能です。例えば、1つのサイトに集中的にアクセス数が増加した場合でも、一時的にサーバーのスペックが自動的に上がるので、サーバーが重くなることを避けることができます。
オンプレミスの場合は、スペックを高めるためにサーバーを構築する必要があります。そのため、オンプレミスで拡張を行うことはクラウドほど簡単ではないと言えるでしょう。
クラウドのデメリット
クラウドのデメリットについても確認をしておきましょう。ご紹介するデメリットは、以下の通りです。
①自由なカスタマイズができない
クラウドのデメリットは、オンプレミスと比較をするとカスタマイズ性が落ちることです。オンプレミスでは最初の段階からシステムを構築するために、自社に合わせたカスタマイズでが行えます。しかしクラウドでは、販売者が提供するサービスに依存しているため、自社でカスタマイズできる範囲が限られます。
②長期的なコストが高くなる可能性がある
クラウドのメリットでもご紹介しましたが、料金形態は使用量に応じて金額が変動する月額従量課金制が多いです。この場合、サイトやシステムの使用量が増えると、コストが高くなります。
短期的に見るとクラウドは、導入費も安くメンテナンスにかかる人件費と時間のコストを抑えることができます。しかし長期的に見ると費用が高額になるケースも多いので注意が必要です。